1日100円でなんでも預かります
大山淳子作 あずかりやさん
盲目の店主が経営する「あずかりや」というお店の出来事のお話です。
各章に分けてお話が展開しますが、主人公は店主ですが、ストーリーテラーは各章で異なります。
しかも人間ではありません。
身近なものがこんな風に自分のことを見ているかと思うとちょっと不思議です。
1日100円でなんでも預かる店主ですが、期日がすぎたら店主のものになるというルール。
人がいい店主ですから、ゴミみたいなものを預けていく人もいるとか。
預けたものにそれぞれの人間模様が隠れていて、でも、それを詮索しない店主。
預かったものは決して本人にしか返さないという徹底ぶり。
読み終わった後、ほっこりした気持ちになれる本でした。
個人的には親子ほども年の差がある相沢さんという女性とのやりとりがとても好きです。